福祉用具事業所で行う緊急対応のリアルを教えます

ケアマネ

※こちらの記事には一部広告が掲載されております。

こんにちは。

今回は福祉用具事業所での仕事のリアルを1つ教えます。

福祉用具事業所の仕事をしていると

「緊急対応」

がよくあります。

その緊急対応のリアルをこれからいくつか自分の経験を元に紹介させていただきます。

この記事でわかること

福祉用具事業所がどのような緊急対応があるのか

実際に自分や家族の身に同様のことが起きたらどうしたらいいのか

緊急事態が起きないようにする対策

それではいきましょう

緊急対応は何が多いの?

福祉用具事業所の緊急対応で1番多いのが、

もちろんですが、「納品」です!

要望が来る商品は様々ですが、

介護保険レンタル品である

「介護ベッド」

「手すり」

「歩行器」

「車いす」

この4点が多いです。

この4点の中で一番多いのは、

「介護ベッド」

です。

4割ぐらいを占めているような気がします。

どのようなシチュエーションでこれらの対応があるのかご紹介します。

緊急事態対応の実態を紹介

介護ベッドの緊急対応は

ケアマネ・包括
ケアマネ・包括

ご利用者さんが急に動けなくなったのよ。すぐに介護ベッドが必要だから持ってきてほしい

という相談から対応することがほとんどです。

このような相談はほとんどはケアマネ・包括から来ます。

介護ベッドは

床からの高さ調節 → 立ち座り動作の補助

背上げ → 起き上がりの補助

足上げ → むくみ防止や背上げ時の身体のズレ防止

これらの機能があることから、

「歩けなくなった、立ち上がりや起き上がりが困難になった」

という方にはかなり有効的な物です。

この歩けなくなった、立ち上がりや起き上がりが困難になったということが急に起きる高齢者がいるということです。

この電話から福祉用具事業所の対応を説明します。

私

どのような状況ですか?歩行や起居動作を教えてください。

まず、私はご利用者の状況確認から始めます。

これは商品選定のために必要なことだと思っています。

ケアマネ・包括
ケアマネ・包括

歩けるけどフラッフラで歩行器とかあればトイレはなんとか行けるかもね。介護ベッドがあれば立ち上がり、起き上がりはできそう。この方、胃がん末期の宣告を受けてて、本人はできるだけ自分の力でがんばりたいっておっしゃってたんだけど、急にこんな感じになったのよ。

私

そうですか…。歩行器も用意必要ですね。マットレスはどうしましょうか?痩せてて寝返りが大変だったら床ずれ防止するマットレスにすべきかと思うのですが。

ケアマネ・包括
ケアマネ・包括

そうね。結構この2ヶ月で痩せてて骨張ってる感じで、寝返りは掴まるものがあればできると思うけど…

私

この介護ベッドとサイドレール、介助バー、この床ずれ防止マットレス、あと歩行器が必要だな。

私

ありがとうございます。念のため在庫確認などするのでまたすぐご連絡します!

ここから事業所へ確認取っていきます。

私

緊急のベッド・歩行器納品をしたいんだけど、この在庫あるかな?あったら一緒に来てくれる人いたらお願いしたい。16時ぐらいがいいんだけど。

後輩
後輩

自分、予定空いているので行けます

事務
事務

在庫ありますよ。出庫準備しておきます。

お待たせしました!今日16:00にお持ちできますが、お時間などは大丈夫ですか?もしお手伝い必要なことあったら伺った時にこちらでやりますよ。

ケアマネ・包括
ケアマネ・包括

ありがとうございます!16:00で伝えます。私もご一緒します。

現場に着くと…

設置場所を確認して介護ベッドの納品を開始します。

介護ベッドは分解された部品を運び込んで組立していきます。

歩行器は高さを合わせて実際に身体に合っているものかを確認していきます。

予測と違って歩行器が使えないレベルになってることなども全然あります。

(本当はあまりあってはならないですが…)

緊急対応はケアマネ、包括などの依頼者が持っている情報を頼りに選定することが多いので、

予測と外れることも0ではありません。

その際は適切な商品を選定してできるだけ早く再び納品できるように段取りします。

今のは介護ベッド、歩行器の緊急対応の紹介でしたが、

これは他の手すりや車いすなども同じようなシチュエーションになってきます。

緊急対応時の流れは下記です。

①商品選定のために状況のヒアリングをし持っていく商品を確定させる

②物の在庫や自分が持って行ける時間の確認

先方からの時間指定も全然あります。

私はそれに沿えるように営業所内にいる方の力を借りながら調整しています。

③納品、取扱説明、契約など

納品時に不足している物や予測と違った物があれば①に戻ります。

他には、

「車いすの調子がおかしいから見に来てほしい」

「急に明後日退院の方が出たので、必要な用具の選定に一緒に来てほしい」

などあります。

もう1つよくある事例でご紹介したいのが、

寝たきりになってしまった方のマットレス交換です。

「なんでマットレス交換が必要なの?」

と思う方いらっしゃるかもしれませんが、

寝たきりになると様々な要因から「床ずれ」になるリスクが上がります。

床ずれとは簡単に言うと、皮膚に圧力や引っ張りの力がかかり続けることで皮膚がダメージを受けてズル向けしてしまうことです。

症状が進行すると強い痛みや感染症を起こすリスクが出てきます。

そのため、エアマットなどのしっかり除圧できるマットレスに交換する必要があります。

このようなケースではケアマネや包括はできるだけ早く持ってきて、

ご利用者の身体の痛みを和らげてあげたいと思います。

そうなると緊急として福祉用具事業所へ連絡が来ます。

先ほどご紹介した要領で段取りしお持ちします。

ただ、ご利用者は介護ベッドの上で寝たきりです。

マットレスを交換するには本人をベッドから下ろして交換しなければなりません。

そのため2,3人以上で伺いご利用者を寝た状態で下ろしています。

私がよくやる方法は、

①介護ベッドの高さを1番低くする

②本人へ「これからマットレスを柔らかいものに変えるので、このようにやります。一瞬痛かったりあるかもしれません」などと説明

③本人が乗ったままマットレスごと一旦介護ベッドの隣の床にスライドして下す

④介護ベッドにエアマットを置いて準備する

⑤前のマットレスはそのままで敷いてたシーツを担架のようにして本人ごと持ち上げてエアマットに寝かせて、圧抜きをする(シーツと身体にできた引っ張られた残留圧を取ること)

⑥本人へ「お疲れ様でした!前のマットレスより柔らかくないですか?」などと声掛けする

時には後輩を数人連れてきて、時にはケアマネや看護師、ヘルパーが来てくれます。

「それでは行きます!いち、にの、さんっ!」

という感じで上記のことをやっています。

⑤のときにご利用者には一瞬負担をかけてしまいますが、

前のマットレスのままで床ずれができて痛みが出て続く方が辛くなってきます。

もし同様のことが自分や家族に起きたらどうしたら良いか

まずはしっかりSOSを出せるところを把握しましょう。

すでにケアマネや包括が関わってる方なら

その担当しているケアマネ、包括へすぐ連絡して相談です。

そうすれば先ほどのような流れで福祉用具事業所へ連絡が行きます。

まだ介護保険をご利用したことがない、ケアマネ包括との関わりが無い方は

まずは介護の相談窓口である「地域包括支援センター」へ連絡しましょう

こちらの記事に記載してる通り、地域包括支援センターが介護や介護保険の最初の相談窓口です。

緊急事態が起きないようにできる対策

急な体調の変化など防ぎようも無いことは多いかと思いますが、

様々なご利用者を見てて思っていることをお話します。

「しっかり転倒予防する」

少しでも歩行にふらつきがあるうちから杖や歩行器を使って慣れておくことは大事かと私は思います。

私はまだ元気だし、見た目が格好悪いしなんか嫌なんだよな

という方はとても多いです。

転倒は外でもありますが、自宅内の転倒もかなり多いです。

早いうちから住宅改修などで手すりを付けておくことも良いかと思います。

転倒して大腿骨部という箇所を骨折して歩行困難になる方はとても多いです。

こういうケースは多くはふとした時のふらつきが原因です。

「まさか自分がこうなるとは思わなかった」とみなさん言います。

「少し体調がおかしいと思っても放置しない」

先日こんなことがありました。

60歳ぐらいの方がなんか体調悪いけど病院行くのが嫌だったからほったらかしたら、

急に呼吸困難になり救急搬送入院。

末期の肺ガンが発覚。

見取りで退院、家族が介護。

これが3週間以内の出来事だったようです。

高齢者の場合は少しの体調の違和感でも、

お医者さんに相談した方がいいと私は思います。

「日常的に整理整頓をする」

これは少し関係のないことかもしれませんが、大事なことだと私は思います。

職業柄、様々な家に行って中を見るのですよ。

整理されていない物がたくさん置かれたごちゃごちゃした家のご利用者もいます。

そんなところに住んでたらお客さんつまづいて転んでしまう

とか

手すりや歩行器を導入したいのに家がごちゃごちゃしすぎて使える状況じゃない

とか

介護ベッド設置したいのにこんなに物が散乱しているところでどこから手をつけようか…

となってしまうのです。

日頃の整理整頓は自分に危険が及ばないようにすること、

介護支援が支援しやすい環境になること

にもつながるので大事かと私は思います。

福祉用具事業所での緊急対応の実態おわかりいただけましたでしょうか?

今までの自分の経験の一部をお話させていただいただけなので、

また別のケースなども紹介できたらと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメント

タイトルとURLをコピーしました